1. Home
  2. PCパーツ
  3. 冷却ファン
  4. 冷却ファンのブレード形状に注目してみる

冷却ファンのブレード形状に注目してみる

Photo:NB-eLoop By:rahkusaur

Photo:NB-eLoop By rahkusaur

ファンの中でクルクル回っている羽のことをブレードって言いますが、今回はその形状に注目して、風量重視型、静音重視型、静圧重視型、バランス型など探っていきたいと思います。
なぜブレードかというと、ファンの特徴を出せるところと言ったら実際に風を作っている部分「ブレード」だからです。

目次

パソコン用冷却ファンに求められる性能

パソコン用の冷却ファンに求められる性能とはどんなものがあるんでしょうか。まずは、そこを知らないことにはブレードの形状を語ることは出来ません。
風量、静圧、静音(ノイズ)、その他、後は風とは関係ない、耐久性、耐高温、防塵などとなります。

風量とは

1分間に何立方フィートの体積の空気が送られるかという意味で、パソコン用の場合、単位はCFM(Cubic Feet per Minute)で表します。
ファンの風の吹き出し口に、ビニル袋を密着させて、1分間にどれだけの空気をビニル袋に送り込むことができるかを表していると考えてください。ただし、この時ビニル袋をふくらませるのに必要な抵抗は0とします。
ビニル袋を大きく膨らませることができるファンが風量が高いファンです。

注意点として、風速とは違うということを覚えておいてください。風速は風のスピードで、風量は風の量です。

静圧とは

漢字で書くと静かな圧と書きますが、意味は全く異なります。静圧とは、障害物を突き通す風の力のことです。単位はmm-H2Oで表し、数値が高いほど突き抜ける力が高いということになります。

静圧が高いと次のようなメリットが有ります。

  • ファンフィルタを取り付けても静圧が高いと風量が弱まりにくくなります
  • 大型CPUクーラーのヒートシンクの隙間をできるだけ風を弱めずに送ることが出来ます
  • ラジエターのフィンの隙間を風が貫通しやすくなります

静圧について分かりやすい解説は、最大風量と最大静圧ってなに?|セミナー・技術情報 |オリエンタルモーター株式会社に譲ります。単位が違いますが説明としては分かりやすい説明ですので参考にして下さい。

静音とは

ファンの静音性能とは、ノイズレベルのことで単位はdb(デシベル)で表します。
ファンからの音は大きく分けて2つあり、1つは風切音でもう一つはベアリングの音、摩擦音や回転音などがあります。ここではブレードの解説ですので、風切音についてですが、回転数が低いほど、ファンのブレードの枚数が少ないほど、ブレードの角度が緩やかなほど、静音になります。

風量、静圧、静音のまとめ

冷却ファンの風量、静圧、静音の解説で参考になるページ

ファンに求められる性能は、基本的にこの3つです。風量が多く、静圧が高く、静かなファンが高性能なファンということが出来ますが、風量と静音はほぼトレードオフになります。なので、風量重視なのか静音重視なのか、両方そこそこを狙ってバランス重視型なのかということになります。

メーカー別に独自の工夫があり、その工夫は、いかに風量を稼いで静音性を保つことができるかだといえます。動物や植物を模倣したブレード形状などがそうです。コウモリは音を立てずに飛ぶのでコウモリの羽を模倣したりという例があります。

特徴的なファンブレード形状を見ていく

それではいくつかの特徴的な形状をしたファンを見ていくことにしましょう。

ENERMAX Batwing Blade(バットウィングブレイド)

TB-Batwing blade

ENERMAXの特許取得、Batwing Blade(バットウィングブレイド)の特徴的な形状のファンブレードです。ENERMAXはこの形状によって風量が20%から30%アップしたとのことです。
風を掴むような形状が2つに別れています。細かくよく見ていくと、ファンの内側は少し小さく、角度が急についています。外側は、少し大きく、角度がゆるやかになっています。
窪みが2つに分かれていますので、その境目周辺からはおそらく風量が稼げていないが、凹んだ中心付近からは、それ以上に風量を稼いでいるということでしょうね。

同じ回転数でも内側は速度がゆっくりなのに対し、外側は外周なほど速度が早くなるので、この角度や大きさになっているのはうなずけるところです。
フレームからも空気を吸い込むハローフレームと相まって風量を稼いでいるのも予想できます。

ENERMAX LEDファン クラスターアドバンス12㎝ UCCLA12P
ENERMAX LEDファン クラスターアドバンス12㎝ UCCLA12P
    • ENERMAX UCCLA12P
    • LEDファン クラスターアドバンス12cm
    • 回転数:500-1800rpm
    • ブレード枚数:9枚
    • 最低ノイズレベル:8dbA
    • 風量:26.5-86.7CFM
    • 防振用アイソレーター付属
    • 羽の取り外しが可能で楽々メンテナンス
Amazon.co.jp で詳細を見る

Corsairファンのブレードを比較

Photo:Corsair ファンブレードの比較

Photo:Corsair ファンブレードの比較 By ponkotusya10

画像の左右のファンのブレードを比較して見て下さい。
左側の白いリングのファンは、ブレードが回転方向に短く、右側の青いリングのファンは、ブレードが回転方向に広くなっているのがわかると思います。

それぞれのファンは、Corsairの120mmファンでSP120 QUIET EDITION CO-9050001-WWAF120 QUIET EDITION CO-9050005-WWです。(リンク先は代理店リンクスのページです)
詳しくスペックを見ていくとファンブレード形状が違うと、どのようなスペックの差がでるのかが分かります。

CO-9050001-WWとCO-9050005-WWのスペック比較表
  CO-9050001-WW CO-9050005-WW
比較 回転数は低いが風量は多い
しかし静圧は低くなっているの
で風量重視型のブレードといえる
回転数が高いが風量が少ない
しかし静圧が高くなっているの
で静圧重視型のブレードといえる
サイズ 120×120×25mm
ブレード 9 7
回転数 1100rpm 1450rpm
風量 39.88CFM 37.85CFM
静圧 0.5mm-H2O 1.29mm-H2O
ノイズ 21dBA 23dBA

25mmというファンの厚さの中で、風量を稼ぎやすい形状と、静圧を稼ぎやすい形状と差が現れているのがわかってもらえると嬉しいです。

  • ファンのブレードとブレードの間から向こうが見える面積が広い分、ブレードの角度が急に付いている。1枚のブレード面積が狭い分枚数を多くしてある。
  • ブレードとブレードの間が狭く、ブレードの角度がゆるやかに付いている。1枚のブレードの面積が広いので標準的な7枚ブレードとなっている。

比較してみると分かりやすいと思います。ファンのブレードが回転して風を作っている訳ですから、ブレードが無い部分は風を作ることは出来ません。透けて見える部分が多いということは、風を作らない部分が広いといえます。
しかし、1枚のファンブレードの角度に注目すると急な角度が付いていることが分かります。しかもファンブレードの枚数が7枚に比較して9枚になっています。

Corsair AF120-QE 120mm エアフロー重視タイプ  ケースファン FN921 CO-9050001-WW
Corsair AF120-QE 120mm エアフロー重視タイプ ケースファン FN921 CO-9050001-WW
  • CORSAIR AF120-QE CO-9050001-WW
  • ファンサイズ:120mm
  • 回転数(rpm):1100
  • 風量:39.88CFM
  • 静圧:0.5mm-H2O
  • ノイズレベル:21dBA
  • 価格: ¥ 2,344
Amazon.co.jp で詳細を見る

直進性を狙ったその名も徹甲弾 SilverStone Air Penetrator SST-AP121

Photo:SilverStone Air Penetrator SST-AP121 By:ponkotusya10

元祖直進性を謳ったファン、徹甲弾ファンです。ファンブレードがオーバーラップしているのがわかるでしょうか。ファンの吹き出し方向に付いているフィン形状の物と、オーバーラップしたブレード形状から強い静圧と直進性を生み出していたと予想できます。

ファンが重なり合う事によって、常に風を送ることが可能となり、ラジエターなどの障害物が有ったとしても、後ろから来る風が押し付ける事にを狙ったファンブレード形状だと予想できます。
オーバーラップの無いファンがオンとオフの繰り返しから風を作っているとしたらSilverStone Air Penetrator SST-AP121は、常に風を送り続けることが可能なファンと言えるでしょう。


Photo:SilverStone Air Penetrator SST-AP121 By ponkotusya10

SilverStone Air Penetrator SST-AP121|PCパーツ・周辺機器の総合代理店 マスタードシード株式会社

水冷用ラジエターやフィルターを使用する吸気ファンとしての利用におすすめのファンです。強い直進性と静圧を謳ったファンだけに、ノイズレベルは高めなので静音ファンとしては使えないファンです。
ファンコンと合わせて使うと回転数の割に風量と静圧をある程度保って利用できると思います。

SilverStone  (12cmファン) SST-AP121
SilverStone (12cmファン) SST-AP121
  • SilverStone Air Penetrator SST-AP121
  • ファンサイズ:120mm
  • 回転数(rpm):1500
  • 風量:35.36 CFM
  • 静圧:1.71mmH2O
  • ノイズレベル:22.4dBA
  • 価格: ¥1,627
Amazon.co.jp で詳細を見る

外周部分がブレードと一緒に回転する NoiseBlocker

Photo:3 Loops By:rahkusaur

Photo:3 Loops By rahkusaur

ブランド名からしてその名もBLACKNOISEという静音ファンを謳うメーカーです。
ファンのうちわの部分がブレードとして、ファンの縁の部分の名称をフレームと呼びます。
ファンブレードが回転すると、ブレードの先頭部分や後端部分から風切音が出ます。そしてブレードの外周部分とフレームの隙間からも風切音が発生しているはずです。

ノイズブロッカーの特徴的なファンブレードは、ブレードとフレームの隙間を無くしてしまうというアイディアから生まれたかどうか知りませんが、ファンブレード同士がフレームとの隙間を埋めるかのように外周で繋がり合っています。

多くのファンを見ると気付きますが、大抵のファンブレードの枚数は奇数のことがほとんどです。
PC用の冷却ファンの他にも、飛行機のプロペラ、扇風機、換気扇、などは3枚、7枚、11枚のことが多いです。おそらく奇数の方が回転バランスが取りやすい為かと思われます。

しかし、NoiseBlockerのファンブレードは6枚になっています。5枚でも7枚でも無い6枚である必要があり、このブレード形状と枚数が何か関連がありそうで、いろいろ考えたのですが、私の頭では予想すらすることが出来ませんでしたw
ファンのブレードを7枚より1枚減らすことにより静音化と、同時に1枚あたりの面積を増やせますので、風量と両方を狙ったのかもしれませんが、もしそうなら昔から6枚ブレードのファンが開発されているはずです。
やはりこのブレード形状と何か深い関連があるのでしょう。

黒いフレームと艶ありの白いブレードが硬派な印象を醸し出しています。ファンの軸の部分が小径にできており、吸気側は少し角を丸められていることからも少しでもブレード面積を広く、しかも静音を狙ったファンだということが分かります。

BLACKNOISE NoiseBlockerハイエンドモデル NB-eLOOPシリーズ 12cm角ファン NB-ELOOP B12-3
BLACKNOISE NoiseBlockerハイエンドモデル NB-eLOOPシリーズ 12cm角ファン NB-ELOOP B12-3
  • BLACKNOISE NB-ELOOP B12-3
  • ファンサイズ:120mm
  • 回転数:1900rpm±10%
  • 風量:71.3CFM
  • ノイズレベル:26.5dBA
  • 価格: ¥ 2,243
Amazon.co.jp で詳細を見る

その他ブレードについて

特徴的なブレード形状のファンを紹介しましたが、1つ説明しきれていない事がありました。それはブレードの進角のことです。

進角とは、飛行機の翼を思い浮かべると分かりやすいと思います。
旅客機などの飛行機の翼は、細長くて中心より外に行くに従って後ろに角度がついています。これを後進角と言います。それに対し、戦闘機などの高速で飛ぶ飛行機の翼は、三角の形状で旅客機などよりは後進角が強くついています。

進む角度の後ろ側に角度が付いていますので後進角と覚えるといいでしょう。ファンにも同じくこの角度が強くついたファンと付いてないファンがあります。

強い後進角がついたファン

CoolerMaster 120mm PCケース用ファン 静音タイプ Silencio FP 120 PWM (型番:R4-SFNL-14PK-J1)
CoolerMaster 120mm PCケース用ファン 静音タイプ Silencio FP 120 PWM (型番:R4-SFNL-14PK-J1)
  • CoolerMaster
  • ファンサイズ:120mm
  • 回転数:800 - 1400 RPM (PWM) ± 10%
  • 風量:16.4 - 44 CFM (27.8 - 74.7 m3/h) ± 10%
  • 静圧:0.47 - 1.69 mmH2O ± 10%
  • ノイズレベル:6.5 - 14 dBA
  • 価格: ¥ 1,598
Amazon.co.jp で詳細を見る

記載した商品価格については、2016年7月12日時点の価格です。価格は変動する場合がありますのでご注意下さい。

by linlin77  at 20:00

Sponsored links

関連しているかもしれない商品

この記事のリンクタグ
トラックバックURL
コメントを書く
コメントする

livedoor Readerに登録
RSS
livedoor Blog(ブログ)
ページの先頭へ戻る